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形のあるモノと形のないコトで、
今までにない
エンターテインメントを

代表取締役

佐野 高一

Sano Koichi

プロフィール
  • 1991年 任天堂(株)入社
  • 1995年 新世代(株)にスタートアップから参加
  • 2006年(株)コト入社
  • 2010年(株)モノコト設立、代表取締役に就任

任天堂と
ベンチャー2社を経て、
モノコト設立へ

子どもの頃からコンピュータゲームやエンターテインメントの世界が好きでした。最初に遊んだテレビゲームは、任天堂から初めて発売された家庭用テレビゲーム機『カラーテレビゲーム6』です。小学校の時にインベーダーゲームが流行し、中3から高校の間はファミコンに夢中になりました。
静岡県の高校を卒業後、名古屋大学でアーティフィシャル・リアリティ(人工現実感)を研究する月尾嘉男教授の研究室に入りました。当時は、まだコンピュータの性能がとても低い時代。研究室には当時最先端のフルカラーのMacintosh Ⅱがあり、現在では当たり前の「GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)」や「コンピュータ上で見たままのイメージをそのまま印刷できる“WYSIWYG”」など、さまざまな機能に感動したことを覚えています。
卒業後はコンピュータゲーム開発に携わりたくて任天堂に入社しました。ゲーム機のハードウェアを開発する部署に配属され、『スーパーファミコンCD-ROMアダプタ』『スーパーファミコン衛星放送アダプタ“サテラビュー”』の電子回路設計やカスタムLSI(大規模集積回路)開発などに携わりました。
4年半ほど勤めた後、当時の上司が滋賀県で「新世代」という会社を立ち上げることになり、創業時から参加することに。新世代は、当時ゲーム機市場がマニア向けになっていく中、「誰もが直感的に楽しめる」新しいゲーム・遊びの世界を作ることを目標のひとつとしており、『XaviX(ザビックス)』というシステムLSIの開発に携わりました。XaviXは、既存のゲーム機に依存しない点が特徴で、2000年前後から数多くの「家庭用テレビに接続してすぐに遊べるゲーム・おもちゃ」にXaviXプロセッサが搭載されました。私は、XaviXプロセッサの開発後、テレビにつなぐだけで卓球ができる海外向けのゲーム機、カラオケが楽しめる『e-kara(イーカラ)』の高級版、テレビにつないで遊べる変形ロボット玩具『ウェブダイバー』『ダイガンダー』などの開発に携わった後、3Dコンピュータ・グラフィックスを扱える『XaviX-2』のLSIならびにシステムソフトウェアなどの開発を行いました。新世代は早い段階で海外展開に力を入れており、クライアントは日本やアメリカの大手玩具メーカー、LSIの開発は台湾、商品の生産は中国で行い、年の半分を海外で過ごした時期もあります。大変でしたが、多様な環境の中でビジネスの成功を目指す、刺激的で学びの多い時間でした。
その後、任天堂のエレクトロニクス玩具・携帯ゲームの父として知られていた横井軍平さんが設立したコトに2006年に転職。3Dコンピュータ・グラフィックスを扱う新しいシステムLSIや、『ドラゴンボールZスカウターバトル体感かめはめ波』『棒ゲ~』『TV地球儀』『デジモンクロスアリーナ』などの企画・開発に携わり、4年ほど勤めた後、立ち上げたのがモノコトです。

横井軍平さんの教え
「枯れた技術の水平思考」

2010年に創設したモノコトの社名に込めたのは、形の有る「モノ」であるプロダクトと、形の無いサービスなどの「コト」の両方をエンターテインメントの分野で作り出すこと。モノコトでは玩具や電子機器の企画立案から開発・生産までを一括して引き受けていますが、特にインタラクティブ(双方向性)なコンピュータ・グラフィックスやサウンドを扱う電子玩具や電子機器を得意としています。スマートフォンアプリやゲームソフトの受託開発も行っていて、自社開発技術としては、スマートフォン連動SR(代替現実)フィギュアや印刷物のSRアニメーション技術に力を入れ、スマートフォンのカメラを通してフィギュアを見るとフィギュアが生きているように動き出したり、図鑑を見ると図鑑の動物や乗り物が動いたり、といった遊び心のある技術の開発に努めています。
かれこれ30年以上、作り手側にいるのは、人を笑顔にできるこの仕事が好きだから。私は、現在でも新商品のアイディアを考えるのが何より楽しく、これまでに行ってきた仕事の中では、LSIの仕様設計や論理回路設計をする時間がとても楽しかった。起業してからは、人事、経理、営業など、開発畑とは異なる分野の仕事で大変さを感じることもありますが、全体の2、3割でも好きな仕事ができていれば、仕事全体を楽しめます。人生の中で最も多くの時間を費やす「仕事」は、やはり楽しくなければと思います。
横井軍平氏の開発哲学「枯れた技術の水平思考」が好きで、おもちゃづくりの真髄だと思っています。先端技術ではなく、使い古された技術の使い道を変えてみることによって、新しい商品が生まれるという考え方で、先端技術ではなくアイディアで勝負しろという教えです。
モノコトでは、15年から20年前の最新ゲーム機などで用いられていた技術も用いていますが、古いからといって劣っているわけではなく、要は「何に」「どのように」使うかが鍵です。現在のゲーム業界では、優れた演算性能やグラフィックス表現能力ばかりを追い求める向きもありますが、肥大化したコンソールハードウェアの上でリッチなゲームエンジンを走らせる現在のゲーム機やゲームソフトの開発では、作り手の立場から見ても、自身の担当するほんの一部分しか見えず、ハードウェアやソフトウェアの全体を見渡す立場での開発に携わるチャンスが少なくなっているのではないかと思います。それに対し、当社はハードウェアもソフトウェアもすべて自前で開発できるため、設計上の自由度が高く、コストなどを含めたトータルパフォーマンスが高い点が強み。一方、各種センサや通信規格などについては、最先端技術を常にキャッチアップし、古い技術と新しい技術の両方をうまく取り入れています。

“プラットフォームビジネス”に依存しない、
モノづくりを

大きな変化が起きている時代、先を見通して計画を立て、目標に向かって着実に進んでいくことが難しいと感じます。技術は日進月歩で、社会状況もめまぐるしく変わる中、正確な未来予測ができません。新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延はその典型です。
当社は、状況に応じて柔軟にやりたいことを見つけ出してやってきました。今やりたいことのひとつは、ゲーム機のコンソールやGoogleなどの「プラットフォーム」に依存しない、スタンドアロンで長く使い続けられるモノづくりです。例えば、VHSで録画されたビデオテープは今や視聴することも難しく、最新のゲーム機もいつか押し入れにしまわれて遊ばれなくなってしまう。それはとても寂しいことです。また、プラットフォーム上で展開されるビジネスは、参入する企業としては既に用意されているインフラを利用するメリットを享受できる一方で、プラットフォーマーが定める規約に制限され、突然の規約の変更に異議を申し立てることも難しい。ユーザーにとっても、プラットフォームの更新に応じて機器の買い替えなどが必要になることも多く、プラットフォームの利用から得られるのは決して恩恵だけではありません。本来はプラットフォームが必要となるソフトウェアやサービスを、当社の技術でプラットフォームから解放し、世の中での選択肢を増やすことができれば面白いと考えます。
当社で働く人に大切なのは、エンターテインメントやモノづくりが「好き」という気持ち。エンターテインメントの世界では、仕様書に書かれた機能を満たすだけでは不十分です。与えられた仕事を受け身でやるのでは足りず、好きだから良いものを作りたいというモチベーションが大事です。当社の開発する商品・サービスでは、仕様書には書かれていない細部にまで行き届いた作り込みが不可欠で、一見小さく見えるこだわりの有無が最終的に商品のクオリティーを大きく左右することになります。例えば、世界で最も多くの人が楽しんだであろうアスレチックアクションのテレビゲームは、一見同じように見える多くのフォロワーを生みましたが、プレイした時の「触り心地」を含めた操作性だけを見ても、フォロワーとは違いを感じられるはずです。一見して大した違いではないように見えて、結果的に非常に大きな売上の差につながります。それがエンターテインメントの世界の面白さであり、怖さでもあります。
こだわりが必要な一方、あらゆる仕事は納期との戦いです。限られた時間の中でどこまでこだわって作り込み、仕上げられるか。当社が求める人材は、安定を求めて会社員になろうとする人ではなく、自分のスキルをどんどん磨き、どこへ行っても食べていける力をつける意欲がある人。半年単位で多様な商品を開発している当社には、そんな成長思考の人に十分な機会を与えられる用意があります。
エンターテインメント業界で、プランナー、デザイナー、エンジニアとして働きたい、また、将来どこへ行っても通用し、重宝される経験や能力を獲得したいと考えている方は、いつでも弊社にアクセスしてください。一緒にモノ・コトづくりに取り組んでいける仲間の訪問を楽しみにしています。

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